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2015年(平成27年)5月


5/18 ストックホルム条約上の規制対象物質として新たに3物質群が追加 (EICネット)
 ストックホルム条約第7回締約国会議、バーゼル条約第12回締約国会議及びロッテルダム条約第7回締約国会議が、5/4-15にジュネーブ(スイス)にて開催。
  ストックホルム条約では、新たにポリ塩化ナフタレン(PCN)が附属書A(廃絶)及び附属書C(非意図的放出の削減)に、ヘキサクロロブタジエン(HCBD)、ペンタクロロフェノール(PCP)とその塩及びエステル類が附属書A(廃絶)に追加。環境省は、今後国内で担保するための所要の措置を講じる予定。
 バーゼル条約では、3つの技術ガイドライン(POPs廃棄物、水銀廃棄物及びE-waste)が採択。
 ロッテルダム条約では、1物質(メタミドフォス)が新たに条約対象物質に追加。
 次回は、2017年4/23-5/5にジュネーブで開催される予定。
 環境省 報道発表資料(5/18)


【JESCO】
5/27 川崎近海汽船 18年6月に宮古航路*「PCB海上輸送検討」 (北海道新聞)
 川崎近海汽船(株)は26日、北海道・室蘭-岩手県・宮古間のフェリー航路の就航が2018年6月になる見通しを自治体との会合で示した。
 また、本航路ではPCB廃棄物の海上輸送についても手続きを進めたい、と説明。
 北海道への搬送は現在、JR貨物と函館-青森航路の2ルートが使われている。


【処理】
5/19 低濃度PCB廃棄物/国内製錬相次ぐ 無害化処理強化/三井金三池製錬が参入/JX金属 苫小牧を増強 (日刊産業新聞)
 国内製錬各社が低濃度PCB廃棄物の無害化処理事業を強化。
 三井精練(株)(福岡県)、JX金属苫小牧ケミカル(株)(北海道)、DOWAホールディングスも傘下の複数の事業会社など。

5/24 PCB、会社側が安全強調/住民「信用できぬ」/那須烏山で計画説明会 (下野新聞)
5/26 PCB中間処理施設計画/反対署名と請願書提出/那須烏山/市議会議長に住民団体 (下野新聞)
5/29 反対行動に市長「真摯に受け止め」/PCB施設建設計画 (下野新聞)
 栃木県那須烏山市白久の耕作放棄地にPCB廃棄物の中間処理施設建設を計画している広島県三原市の(株)竹本工業所は23日、同市で地元説明会を開催した。
 また、建設に反対している同市の住民団体は25日、同市議会を訪れ、反対請願書と周辺自治体約2300人分の反対署名を提出した。
 同市の大谷市長は、28日の定例記者会見で、「住民の行動は真摯に受け止めている」と述べた。


【汚染】
5/18 青島観光ホテル閉館2年/競売買い手現れず/耐震、解体費ネック/放置長期化地元は懸念 (宮崎日日新聞)
 「青島観光ホテル」(宮崎県宮崎市)閉館2年経つも買い手が現れず。
 「建物の耐震化の工事費や解体費用が高額」なことがネックになっているが、建物内に保管されているPCB廃棄物の処理も見通しが立っていない。

5/23 返還された西普天間地区PCB検出 (沖縄タイムス)
 在沖のキャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区(沖縄県宜野湾市)は3月末で返還されたが、沖縄防衛局などが調査した結果、地上設置の変圧器13基のうち1基から低濃度PCB(0.6mg/kg)が検出された。ほかにタイルからアスベストも検出された。
 アスベストは住宅解体工事に合わせて除去するが、PCBについては、県や市と除去方法について調整する、とのこと。

5/27 ため池と川からPCB検出されず 油の漏えい事故 伊賀市猪田で (伊賀タウン情報YOU)
5/27 絶縁油:変圧器から流出、PCB含有か ため池に油膜 伊賀/三重 (毎日新聞)
 三重県は27日、三重県伊賀市の農業用ため池からPCB含有が疑われる油が流出した事故で、池と下流の河川で採取した水からはPCBが検出されなかったと発表。県では引き続き、廃変圧器内に残留した油の調査を進める。

5/29 富士通旧須坂工場のPCB問題 5月の定期検査結果 敷地内2カ所の井戸から検出 (信濃毎日新聞)
 富士通の旧須坂工場(長野県須坂市)の地下水からPCBが検出されている問題で、5月の定期検査の結果が公表された。
 工場敷地内の観測井2箇所から0.0026~0.0013mg/LのPCBが検出されたが、敷地外からは検出されなかった。


【その他】
5/9 油症多発地域 高い病死率 長崎・五島、広島大など調査 68、69年 カネミ被害 「より深刻な可能性」 (西日本新聞)
 広島大学の鹿嶋助教らの研究で、カネミ油症多発地域である長崎県五島市の2地区について、長崎県全体の事件発生当時の病気の死亡率と比較した結果、他地区よりも高いことを突き止めた、と発表。


5/13 鴻池組を特定 ダイオキシン含有廃棄物処理 (建通新聞)
5/14 豊能郡環境施設組合、ダイオキシン類含む汚染物、無害処理施設整備・処理を行う事業者が決定 (日刊建産速報)
 豊能郡環境施設組合は、ダイオキシン汚染一般廃棄物などを無害化処理する施設の整備・処理業務を行う事業者の提案競技で、鴻池組を選定。
 鴻池組が提案したのはジオスチーム工法。前処理によって調整・均一化した汚染物を約650度に間接過熱し、ダイオキシン類や水分を揮発分離。
 分離したダイオキシン類を含むガスを水蒸気分解プロセスにより、1100度で3秒以上間接過熱し分解する。
 処理後物の引き渡し総量は約230tで、施設製作に6ヶ月、設置に1.5ヶ月、処理に4ヶ月、施設解体・土壌調査に2ヶ月が見込まれている。




5/6 「2020年までに鉛含有塗料を廃絶」を目標に、国連環境計画などの国際パートナーシップが協力 (EICネット)
 UNEPとWHOが主導する「Global Alliance to Eliminate Lead Paint(GAELP)」(鉛含有塗料の廃絶に取り組む国際活動)は、2020年までに世界から鉛含有塗料を廃絶する目標を「地球市民・アースデイ2015」で発表。
 WHOによれば、幼児期の鉛曝露により、毎年推定60万人が知的障害を発症するという。
 鉛曝露により年間14万3000人が死亡すると推定され、特に開発途上国で影響が大きい。
 高い鉛曝露を受けている子供の99%が、低中所得国に住み、幼児期の鉛曝露に関連した健康問題は、アフリカ、アジア、ラテンアメリカなどで9750億ドル以上の経済損失になるという。
 現在でも、住宅や学校などに鉛含有塗料の使用を認めている国が多い。
 UNEP News Centre (4/21)

5/26 有害化学物質意見を募集 農水省 (日本農業新聞)
 農水省は、食品中に含まれる「優先的にリスク管理を行う有害化学物質のリスト」の見直しを進めるために、農家や消費者、食品メーカー関係者等、一般からの意見募集を始めた。  
 現在のリストにはヒ素やカドミウム、鉛、水銀、ダイオキシン等、二十数種類が掲載。リスト掲載の化学物質については、食品中の実態調査、汚染低減の指針の作成・普及等、農水省が優先的に管理する。  
 今年度にリストを更新する際の参考意見として、リスク管理すべき物質を募集する。
 農林水産省「リスク管理(問題や事故を防ぐ取組)」

5/27 国連環境計画、使用済み電子機器の違法取引・投棄は年間190億ドルに相当と報告 (EICネット)
 UNEPは、電子廃棄物が年間4100万トンにものぼることを新たな報告書で明らかにした。そのほとんどは違法に取引または投棄されており、金額にして最大190億ドルに相当するという。
 廃棄物に関する国際的に統一された分類や規制や不十分で、使用済み電池をプラスチックと申告するなど内容を偽った廃棄物が、先進国からアフリカやアジアの途上国にさまざまな形で輸出されている。
 UNEP News Centre (5/12)