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2013年(平成25年)10月
10/8 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の附属書改正に伴う追加措置について中環審が第二次答申 (
EICネット)
10/9 経産など3省、HBCDとエンドスルファン、14年2月全面使用禁止 (
化学工業日報)
環境省は、POPs条約の附属書改正に係る化審法に基づく追加措置について、中環審より環境大臣に答申がなされたと発表。
既に化審法の第一種特定化学物質として指定することが適当とされているエンドスルファン及びHBCDについての規制措置として、輸入禁止製品に、HBCDが使用されている繊維用難燃処理薬剤、難燃性EPS(ビーズ法発泡ポリスチレン)用ビーズ及び防炎生地・防炎カーテンを指定。POPs条約では、ビーズ法・押出式発砲ポリスチレン向けを適用除外としているが、日本ではメーカーによる代替物質へのシフトが来年2月までに完了する見通しとなり、全ての用途について使用禁止と判断された。また、エンドスルファンは国内では農薬取締法に登録済み。今後、審議の結果を踏まえてパブリックコメントを実施した上で政令改正を行い、これらの規制措置を講じるとしている。
環境省 報道発表資料(10/8)
10/21 残留性有機汚染物質検討委員会第9回会合(POPRC9)の結果を公表 (
EICネット)
10/30 CNとHCBD「廃絶」を勧告へ/POPRC9 (
環境新聞)
環境省は、10/14-18にイタリアのローマで開催された「残留性有機汚染物質検討委員会第9回会合(POPRC9)」の結果を取りまとめ公表した。
今回の会合では、塩素化ナフタレン(CN)及びヘキサクロロブタジエン(HCBD)について、条約附属書A(廃絶)及び附属書C(非意図的生成物質の排出の削減)への掲載を2015年5月に開催予定の第7回締約国会議に勧告することを決定。
また、ペンタクロロフェノール(PCP)とその塩及びエステル類についてリスク管理の評価案を新たに作成、デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)についてリスクプロファイル案を新たに作成、ジコホルについて次回会合で再度議論すること等を決定。
環境省 報道発表資料(10/21)
ストックホルム条約事務局
【JESCO】
10/9 北海道・室蘭“超高温でPCB処理”の新工場稼働 無害化対象が拡大 (
NHK)
10/10 PCB分解炉が2基態勢に 室蘭・JESCO 1日最大4.8トン処理 (
北海道新聞)
10/10 PCB処理 増設炉フル稼働 室蘭 16道県の1916トン無害化へ=北海道 (
読売新聞)
10/11 PCB廃棄物処理設備/増設工事、北海道で竣工式/新日鉄住金エンジ (
鉄鋼新聞)
10/11 新日鉄住金エンジニアリングが室蘭のPCB処理施設で竣工 (
電気新聞)
10/22 新日鉄住金エンジら/北海道室蘭市でPCB廃棄物処理施設増設が竣工 (
日刊建設工業新聞)
北海道室蘭市のJESCO北海道事業所で、増設されたプラズマ溶融設備での安定器や小型電気機器、感圧複写紙等のPCB汚染物処理の本格的な稼働が開始。増設工事は新日鉄住金エンジニアリングが日本製鋼所と神鋼環境ソリューションとJVを組んで受注したもの。設置総事業費は約260億円。16道県から約1,916トン受入し、処理する計画。
室蘭市「PCB廃棄物処理事業について」
JESCO北海道事業所
10/17 PCB処理施設 20日に見学デイ (
北海道新聞)
10/21 室蘭でPCB処理事業日曜特別見学会、増設施設を初公開 (
室蘭民報)
JESCO北海道事業所で、PCB廃棄物処理施設を見学する「日曜見学デイ」を開催。平日はPCB処理情報センターを一般公開しているが、家族連れ等が見学しやすいように休館日の日曜に公開。今回は増設施設も見学コースに追加され、過去最多の160人が参加した。
10/25 PCB:環境省、北九州市に追加処理要請 期間延長求める (
毎日新聞)
10/26 PCB:無害化処理、国が延期と拡大要請 北九州市「地元に相談」と回答保留/福岡 (
毎日新聞)
10/31 PCB:処理要請で国の説明会を調整--北九州市/福岡 (
毎日新聞)
10/31 国のPCB追加処理要請 市民対象に説明会開催へ=北九州 (
読売新聞)
環境省は、JESCO北九州事業所でのPCB処理期間を延長し、新たに6,000トンを処理するよう北九州市に要請。梅本副市長は「地元と相談したい」と回答を保留した。現行の北九州事業所の処理計画では、岡山以西17県のPCB機器の処理を受入、2015年3月末に終了する。環境省の要請は、処理期限を9年延期、受入範囲も東京以西の31都府県に拡大となる。
北九州市は、11月に環境省による市民説明会の開催を調整していることを明らかにした。
JESCO北九州事業所
10/26 首都圏のPCB処理へ*室蘭*完了、11年ずれ込む (
北海道新聞)
10/29 室蘭で首都圏のPCB処理方針*受け入れ拡大に不満も (
北海道新聞)
環境省は、東京など1都3県で出た安定器や感圧複写紙等のPCB汚染物約4千トンをJESCO北海道事業所での新たな処理対象に加える方針を固めた。処理完了時期を2025年度末と初めて明示した。地元の市民団体からは不満の声が上がっている。
【処理】
10/21 県立広島大、金属ナノカルシウムを活用し有機汚染土を常温常圧で分解する手法開発 (
日刊工業新聞)
県立広島大学生命環境学部の三苫好治准教授らは、PCB等の汚染土壌を金属カルシウムを活用して常温常圧で分解する手法を開発。数百ナノメートルサイズの金属カルシウムの凝集体が土壌中のPCB微粒子に吸着し、99%以上を脱塩素化して無害化できた。市販の金属カルシウム使用で、1トンの土壌処理に必要な材料費は2,000円程度とのこと。
10/25 低濃度PCB汚染廃電気機器等の無害化処理認定制度 杉田建材(株)に環境大臣認定を実施 (
EICネット)
環境省は10/25、杉田建材(株)(千葉県市原市)に対して、廃棄物処理法に基づき、低濃度PCB汚染廃電気機器等無害化処理にかかる大臣認定を行ったと発表。
この施設は、ストーカー式焼却炉により、廃PCB及びPCB処理物(廃油)を24.0kL/日、PCB汚染物を35.0kg/日、固定床炉により、PCB汚染物及びPCB処理物を24.0トン/日処理する能力を持っている。
環境省プレスリリース(10/25)
10/26 展望台や駐車場など新設 高砂西港 兵庫県が緑地整備計画 (
神戸新聞)
兵庫県は、高濃度PCBが検出された高砂西港の海底土砂盛立地周辺の緑地整備計画の概要を明らかにした。港内3カ所に展望台、駐車場など
を整備。2014年度に着工、15年度の完成を目指す。
10/21 低濃度ポリ塩化ビフェニル汚染廃電気機器等の無害化処理制度 オオノ開發(株)が申請 (
EICネット)
環境省は10/31、オオノ開發(株)(愛媛県松山市)から低濃度PCB無害化処理の認定申請があったと発表。
環境省プレスリリース(10/31)
【汚染】
10/1 富士通旧須坂工場のPCB問題 9月の定期検査結果 3カ所の井戸で検出 (
信濃毎日新聞)
富士通の旧須坂工場(長野県須坂市)の地下水からPCBが検出されている問題の9月の定期検査の結果。工場敷地内の3箇所の観測井から0.0025~0.0008mg/Lが検出、敷地外の観測井からは検出されていない。
10/22 PCB廃棄物、29校に7000機/鹿児島県議会決算委 (
南日本新聞)
鹿児島県議会決算特別委員会が21日続開、教育委員会、危機管理局等を審査。県は、PCB含有コンデンサー等の廃棄物7,119機が、県立学校29校に保管されていることを明らかにした。
処分の進捗率は2012年度末で47%。14年度中に終了予定。処分事業開始の10年度当初、49校に計1万3,544機あった。
10/25 PCB:泉北下水処理場で誤処分-堺市/大阪 (
毎日新聞)
堺市は24日、泉北下水処理場で保管が義務付けられているPCB含有低圧コンデンサを、2006年度に誤って産業廃棄物として処分していたと発表。
市によると、PCB廃棄物は保管状況を毎年確認して届け出る必要があるが、担当者の後を引き継いだ職員らが13年度までの6年間、保管状況を確認しないまま、前年と同じ届け出を続けたため、発覚が遅れたとのこと。
堺市プレスリリース(10/24)[PDF]
10/30 北海道・洞爺湖町の中学校 PCB使用の蛍光灯が破裂 生徒3人にかかる (
NHK)
10/31 照明器具破裂、生徒にPCBかかる…洞爺湖の中学 (
読売新聞)
10/31 PCB 中学生に付着*洞爺湖町*照明の安定器破裂 (
北海道新聞)
北海道洞爺湖町の虻田中学校で、PCB使用の古い蛍光灯器具が破裂し、液体が生徒3人にかかっていたことが判明。中学校では、生徒や教員の健康診断を実施。今後、町では、他の学校や公共施設等の蛍光灯器具も調査するとのこと。
【その他】
10/11 「カネミ」被害者の今描く あすから広島で上映 前向きに生きる姿紹介 (
中国新聞)
10/16 ドキュメンタリー映画:カネミ事件、被害者を追う「食卓の肖像」 (
毎日新聞)
カネミ油症の被害者を追ったドキュメンタリー映画「食卓の肖像」が10/12から、広島市西区の横川シネマで上映。金子監督が10年かけて被害者を取材したもの。
10/27 カネミ油症新認定訴訟 あす控訴審/「信じたい」切々と/元原告団長古木さん 不安と期待語る (
長崎新聞)
10/29 請求権の有無、争点 カネミ油症新認定、控訴審 (
朝日新聞)
10/29 「認定前に提訴、不可能」患者ら実態訴え カネミ控訴審/福岡県 (
朝日新聞)
10/29 カネミ油症訴訟 控訴審/除斥期間 原告「起算点は認定時」/会社側も争う姿勢/福岡高裁 (
長崎新聞)
カネミ油症新認定患者が、カネミ倉庫等に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が28日、福岡高裁で開かれた。控訴審の最大の争点は、20年で損害賠償を求める権利が消滅する「除斥期間」。
3月の一審判決は、被害が発覚した翌年末から20年後の1989年末には、請求権が消えたと認定された。認定基準に主原因とされるダイオキシン類が加わった2004年以降の認定患者が原告の大半であり、判決に反論している。
10/28 カネミ油症学フォーラム:「胎児期、ダイオキシン類にさらされ」健康被害の子・孫、救済を/福岡 (
毎日新聞)
カネミ油症事件に学び、安心安全な食育環境を考える「油症学フォーラム」が24日、福岡工業大で開催。油症被害者や研究者らが「健康被害がある子や孫も救済されなければならない」と訴えた。
10/3 基準超すダイオキシン検出 高松の清掃工場排出ガス (
産経新聞)
10/3 国の基準値超えるダイオキシン検出/西部クリーンセンター (
四国新聞)
10/3 基準値2.7倍のダイオキシン 高松・ごみ焼却施設/香川県 (
朝日新聞)
高松市は、同市川部町の清掃工場「西部クリーンセンター」の焼却炉排ガスから基準を超えるダイオキシン類が検出(2.7ng-TEQ/m3)されたと発表。8月の定期測定で採取したもので、10/2の分析業者による報告で判明した。原因は、部品の損傷による集塵機の機能低下、ダイオキシン吸着除去用の粉末活性炭の貯留槽の詰まり等とのこと。焼却炉は9/1から定期補修工事で運転停止中。損傷箇所の補修などを行い、12月中旬にも運転を再開する予定。
高松市 報道資料(10/2)[PDF]
10/9 米軍返還地「複合汚染」専門家が意見書 (
沖縄タイムス)
米軍基地返還跡地の沖縄市サッカー場で発見されたドラム缶から基準を超えるダイオキシン類が検出された問題で、摂南大学の宮田秀明名誉教授がドラム缶付着物について「多様な2,4,5-T製品、農薬のPCP、焼却関連物質、PCB等の混合物由来のダイオキシン類汚染と推測」との意見書をまとめ、「複合汚染」との見方を示した。
沖縄・生物多様性市民ネットワークが宮田氏に、沖縄防衛局と沖縄市による調査結果の評価を依頼。宮田氏の意見書を10/8に県を含めた関係機関に送った。
沖縄・生物多様性市民ネットのブログ(10/8)(摂南大学宮田名誉教授からの意見書)
10/11 青森・浪岡処分場ダイオキシン検出:観測用井戸16本、鉛が環境基準超過-青森市/青森 (
毎日新聞)
青森市の浪岡不燃物埋立処分場から基準を超えるダイオキシン類等が検出された問題で、市は7-8月に行った3次調査と8月のモニタリング調査結果を発表。地下水の水質調査用に処分場内外に掘った観測用井戸30本のうち16本で鉛が基準を超過。場内の3本ではフッ素が基準を超過。処分場内5地点の土壌では埋立基準の超過はなかった。3カ所の沢水調査では、1地点で基準を超えるダイオキシン類が検出(1.4pg-TEQ/L)。処分場周辺の耕作地3カ所から採取したキュウリでは、基準を超えた鉛やダイオキシン類等の検出はなかった。市は今後他の農作物(リンゴとコメ)への影響を調べる予定。
青森市「浪岡不燃物埋め立て処分場の適正廃止に向けて」
10/17 高濃度灰 豊能町有地へ ダイオキシン問題 (
読売新聞)
10/23 未処理焼却灰 4度目移設 能勢ダイオキシン (
読売新聞)
10/24 能勢町のダイオキシン問題:豊能の汚染焼却灰、4回目移送深夜の作業 周辺住民、不安も/大阪 (
毎日新聞)
大阪府能勢町のごみ焼却施設「豊能郡美化センター」(廃炉)のダイオキシン汚染問題で、未処理の高濃度焼却灰や汚泥などが入ったドラム缶198本(約30トン)について、仮保管していた豊能町民有地の地権者との約束撤去期限(10/28)が迫ったため、民有地倉庫から消防本部旧庁舎跡地の倉庫に移送された。豊能郡環境施設組合では、ダイオキシンの高温分解無害化処理を行う方針で、それまでの一時保管となるが、無害化処理の目途は立っていないとのこと。
大阪府豊能町「豊能郡環境施設組合関係」
10/22 ダイオキシン類:河川4カ所、基準上回る-県環境調査結果/三重 (
毎日新聞)
三重県は、昨年度実施したダイオキシン類環境調査結果を発表。
河川42地点中4カ所の水質で基準を超過(1.1-1.6pg-TEQ/L)。いずれも上水道用水取水はなく、健康への影響はないとのこと。
海域や地下水の水質、底質、大気、土壌では、基準を超えた地点はなし。
三重の環境「平成24年度のダイオキシン類環境調査結果について」(10/17)
10/22 事業者負担減額で計画策定 富岩運河の汚染対策富山県環境審議会小委 (
北國新聞)
10/22 富岩運河ダイオキシン汚染土 事業者の負担減額 県環境審小委 (
北日本新聞)
富山県の富岩運河のダイオキシン類汚染土による対策工事の費用負担を検討する県環境審議会の小委員会が10/21に開催。費用負担計画が取りまとめられた。原因事業者への負担は、ダイオキシンが規制対象外であった当時の事情を考慮し「寄与割合」に比べ減額した金額を求める。
今回の審議結果は環境審議会で報告され、県に答申される見通し。
10/8 「水俣条約」採択へ、水銀汚染対策で規制設定-あすから国際会議 (
日刊工業新聞)
10/15 水銀に関する水俣条約に92か国が署名 (
EICネット)
国連環境計画(UNEP)主催による「水銀に関する水俣条約外交会議」が10/9-11に熊本県熊本市及び水俣市にて開催。会議には、60か国以上の閣僚級を含む139か国・地域の政府関係者、国際機関、NGO等、1,000人以上が出席、水銀に関する水俣条約が全会一致で採択、92か国(含むEU)が署名を行った。
条約の内容は、新規鉱山の開発禁止や既存鉱山からの採掘禁止、製造工程における水銀使用の削減や禁止、水銀使用製品の製造・輸入・輸出の原則禁止、大気・水・土壌への排出制限、保管・廃棄物などに関する取り組み、資金・技術支援―など。
環境省 報道発表資料(10/15)
10/23 EU 水銀に関する水俣条約に署名、批准書・施行規則策定作業を開始 (
EICネット)
欧州委員会は、欧州連合(EU)を代表し、水銀に関する水俣条約に署名したことを公表。会議では、施行に至るまでの作業プログラムが承認され、ここでは、大気中への水銀排出に対する利用可能な最善の手法に関するガイドラインの策定が重点となっている。
欧州委員会は、既にEUの批准書と必要な施行規則を策定するための作業を開始しており、2014年中に意見公募を実施する。
欧州委員会環境総局(10/10)
欧州委員会環境総局 「水銀」のページ
10/21 化審法40周年、その成果と新たな課題(社説) (
化学工業日報)
1973年10月に公布された化審法が40周年を迎え、現在までの経緯と成果、新たな課題が論じられた。
国際的整合性と化学産業の競争力強化という視点による次期改正の議論が急がれるとのこと。
10/29 OECD、化学物質の危険性評価プログラムを刷新へ (
EICネット)
OECDは、人間の健康と環境に対する化学物質の危険性を評価するプログラム(CoCAP)を見直し、2015年以降の加盟国へのサービスをより専門化する方向で検討すると発表。
OECDは、加盟国における最近の化学物質規制制度の変化や財政的制約を考慮し、今後18カ月をかけてプログラムを見直すとのこと。
OECD What's New (10/15)
OECD's Cooperative Chemicals Assessment Programme(CoCAP)[PDF]