日本 POPs(残留性有機汚染物質)ネットワーク
トップページ | 日本POPsネットについて | POPs関連ニュース | POPs基礎 | PCB | ダイオキシン | 農薬等 | POPs情報源
 
日本POPsネットワーク > POPs関連ニュース > 2009年10月
 
 
2009年(平成21年)10月
POPs全般 PCB ダイオキシン類 農薬 その他

10/2 第7回東アジアPOPsモニタリングワークショップの開催結果概要を公表 (EICネット)
 9/28-30 東京で開催されたワークショップの結果概要が環境省ホームページで公表。
 
主な成果
 ・タムダオ(ベトナム)が、新たな重点調査地点に追加。
 ・大気バックグラウンドモニタリングは、マレーシアでの実施が決定。
 ・モニタリング能力向上に関して、地球環境ファシリティ(GEF)資金を活用するプロジェクトへの申請を決定。
  また、プロジェクトのリード国をベトナムに決定、プロジェクト参加国の第一次意思表明を確認。
 ・カンボジア、韓国、日本から、昨年度実施した測定結果が報告・精査。分析の技術的課題について情報を共有。
 ・新規POPs等の分析法開発への取組について、日本からの情報の提供。

 環境省 報道発表資料(10/1)
     環境省 東アジアPOPsモニタリングワークショップ

10/13 環境省 第3回東アジア地域の非意図的生成POPs削減に関するワークショップの開催結果概要を公表 (EICネット)
 10/1-3 東京で開催されたワークショップの結果概要が環境省ホームページで公表。
 
主な内容
 ・東アジア地域における非意図的生成POPsに関する現状、課題、対策についての情報を共有。
 ・東アジア地域におけるダイオキシン類の排出インベントリーの統合化、非意図的生成POPs削減のための利用可能な
  最良技術/環境のための最良の慣行(BAT/BEP)及びモニタリングに関する情報を共有。
  さらに他の環境汚染物質削減との相乗効果や新規POPsに関連した情報の交換。


 報告書や議長総括は、下記のワークショップホームページでダウンロードできます。
 環境省 報道発表資料(10/9)
     環境省 東アジア地域の非意図的生成POPs削減に関するワークショップ

10/15 アルプス氷河の溶解で有害物質が流出、スイス研究 (AFP)
 スイス金属実験研究所のチームが、地球温暖化の影響で溶解したアルプス氷河から高濃度のPOPsが流出していると研究成果を発表。湖の堆積物を分析したところ、使用禁止となった70年代以降は濃度は下がったが、この10~15年でまた上がり、POPs使用当時と同レベルで含有していると指摘。他の2つの湖でも同様の現象が見られたが、氷河の水の流入がない湖では見られなかったとのこと。

10/21 「日本周辺海域における海洋汚染の現状(海洋環境モニタリング調査結果(1998~2007年度))」を取りまとめ、公表 (EICネット)
 ・重金属類、PCB、ダイオキシンが沿岸域の堆積物から検出  →大都市圏からの負荷が沿岸域に影響。
  PCB、ダイオキシンは沖合域の堆積物でも低レベルながら検出。
 ・紀伊水道周辺海域堆積物から比較的高濃度のPCBが、紀伊・四国沖及び日本海西部海域の堆積物からバックグランド
  より高い濃度の有機スズ化合物が検出。
 ・一部の沿岸域で貧酸素化に起因する底生生物の組成の変化が観測  →有害物質との関係は認められず。
  海洋生物体内のダイオキシン類及びPCBの濃度は有意な減少傾向を示していない。
 ・沖合域までプラスチック類が分布。


 いずれの海域においても、人為的な影響が沿岸域から沖合域まで及んでいる。今後もモニタリングを定期的に実施するとともに、PFOS等の監視や比較的高濃度の汚染が見つかった海域での継続監視等を行っていく必要があるとのこと。
 環境省 報道発表資料(10/20)
     環境省 海洋環境モニタリング調査

10/22 残留性有機汚染物質(POPs)検討委員会第5回会合(POPRC5)開催される (EICネット)
10/23 POPRC5、HBCD危険性概要案作成など決定 (化学工業日報)
10/28 HBCD/リスク案作成へ前進/POPs検討委が会合危険性概要案作成など決定 (環境新聞)

 10/12-16 POPRC5がジュネーブで開催。

 ・ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)は、スクリーニング基準を満たすとされ、危険性の概要(リスクプロファイル)案を作成する
  段階に進めることが決定。
 ・エンドスルファンは、長距離移動の結果重大な悪影響をもたらすおそれがあるとし、リスクの管理に関する評価案を作成する
  段階に進めることが決定。
  短鎖塩素化パラフィンについては、議論が収束せず、リスクプロファイル案を引き続き議論することが決定。
 ・日本が草案に貢献したPOPs代替物質の検討に関するガイダンスが採択され、各国で活用されることとなった。
 

 来年10月に第6回検討委員会(POPRC6)が予定されている。
 環境省 報道発表資料(10/22)
     環境省 POPsホームページ

10/28 UNEP水銀に関するアドホック公開作業グループ会合の結果を公表 (EICネット)
 10/19-23 タイのバンコクで開催された会合結果が環境省ホームページで公表。来年以降開催が予定されている政府間交渉委員会(INC)の準備に関する議論やUNEP水銀プログラムによる活動などが報告。今後の交渉に向けて、条約で定めるべき内容についての資料準備、INCの手続規則の案などについて合意された。
 第1回INCは、来年6/7-11 スウェーデンのストックホルムで開催予定。
 環境省 報道発表資料(10/26)
     環境省 国際的観点からの有害金属対策戦略

10/28 化審法改正関連3政令が閣議決定、10年春施行 (化学工業日報)

 10/27に化審法改正関連3政令が閣議決定。

 ・第一種特定化学物質として、新たにPFOS又はその塩等の12物質を追加指定。
 ・第一種特定化学物質使用の輸入禁止製品として、PFOS又はその塩等の3物質が使用されている14製品を追加指定。
 ・PFOS又はその塩を使用する3用途を例外的使用を認める用途として指定。
 ・例外的な使用による環境汚染防止のため、基準適合義務及び表示義務製品として、PFOS又はその塩を使用する4製品を指定。
 ・第二種特定化学物質使用製品として、現在表示義務を課す11製品を指定。
 また、
 ・一般化学物質及び優先評価化学物質について届出を求める閾値を1トン以上とする。

 環境省 報道発表資料(10/27)
     環境省 化学物質審査規制法ホームページ

10/28 低炭素化と融合 3R高度化事業を拡充/循環交付金/1割減の348億円/産廃処理安定化など新規も/環境省来年度概算要求 (環境新聞)
  POPs監視事業費 229百万円
 環境省 重点施策・予算情報 POPs(残留性有機汚染物質)監視事業費[PDF]

  
POPs全般 PCB ダイオキシン類 農薬 その他

【JESCO】

10/8 室蘭のPCB処理2期施設 再入札 来春以降に 処理量確定せず北海道新聞)
 当初来年10月稼働予定であった2期施設の再入札は、来年4月以降になる見通し。PCB特措法の処理期限の実現を危ぶむ声も出ている。2期施設は、昨年3月の入札でカワサキプラントシステムズ(神戸)が落札。これに室蘭市が「地元技術や企業の活用」などの受け入れ条件を満たしていないと反発し、今年の4月に凍結されていた。

10/9 PCB施設で訓練*震度4想定、160人参加 (北海道新聞)
 JESCO北海道事業所で8日、防災訓練が実施された。
 JESCO 
     JESCO北海道事業

【処理】

10/22 基準の4千倍のPCB検出 産総研・下水道には流れず共同通信)
10/22 下水道にPCB流出か つくば 産総研倉庫で漏水事故東京新聞)
10/23 水から基準4000倍PCB 産総研読売新聞)
10/23 つくばの漏水事故 コンテナに高濃度PCB 産総研会見 基準の4000倍検出東京新聞)
 産業技術総合研究所は、20日に発見されたつくばセンター第5事業所の倉庫内の漏水で、コンデンサやノーカーボン紙などのPCB廃棄物を保管していた箱に溜まった水から、12mg/LのPCBが検出されたと発表した。下水道法で定められた排水基準の約4千倍の濃度。建物下の貯水槽や排水路などからPCBは検出されていない。
 ふたのないコンテナに保管していたが、倉庫内の排水管のバルブの老朽化により水漏れが発生し、外部に流出した。
 産総研では早急に再発防止策を講じるとのこと。  
 産総研プレスリリース(10/21)
     産総研プレスリリース(10/22)

10/28 低炭素化と融合 3R高度化事業を拡充/循環交付金/1割減の348億円/産廃処理安定化など新規も/環境省来年度概算要求 (環境新聞)
 環境省 処理困難なPCB廃棄物の適正処理モデル事業 50百万円[PDF]


【汚染】

10/30 環境省、過去10年間の日本周辺海域調査、紀伊水道にホットスポット (化学工業日報)
 環境省は、過去10年間の日本周辺海域での海洋汚染状況についての調査結果「海洋環境モニタリング調査」を公表。海洋投棄を実施している海域についても調査したが、紀伊水道、紀伊・四国沖、日本海西部の3海域で汚染のホットスポットが確認。特に紀伊水道周辺海域では、高濃度のPCBが検出された。海底付近に複数のPCB汚染源があり、70年代前後から継続的に汚染されている可能性があると指摘した。
 環境省プレスリリース(10/20)


【その他】

10/9 「今も被害続き深化」原田教授が証言 カネミ油症新認定訴訟長崎新聞)
 新認定患者がカネミ倉庫などに損害賠償を求めた集団訴訟の第5回口頭弁論が行われた。原告側証人として出廷した原田教授(熊本学園大)が、健康被害の実態を明らかにした。原田教授は、水俣病研究の第一人者だが、油症患者の検診・調査も重ねていた。

10/10 カネミ油症発覚から41年/本格救済へ期待高まる/県は実態把握へ精査 「この半年が勝負」 (長崎新聞)
 長崎新聞がまとめた被害者、支援者、行政の動きのレビュー。

10/23 カネミ油症救済/民主・犬塚氏、来月厚労相陳情へ調整/患者組織に立法作業など約束 (長崎新聞)
 患者組織「カネミ油症五島市の会」は22日、大塚参院議員(民主)の事務所を訪れ、厚労相への陳情や本格的な救済法案を通常国会に提出することを要望。
 

POPs全般 PCB ダイオキシン類 農薬 その他

10/6 水俣市の高濃度ダイオキシン汚染土砂 県が除去工事へ 確認から7年 (熊本日日新聞)
10/7 熊本県/県港湾課 水俣市のダイオキシン汚染土 確認から9年、除去へ (西日本新聞)
10/9 チッソ排出ダイオキシン類 処分来月にも (朝日新聞)
10/30 中間処理施設、着手へ ダイオキシン汚染土砂除去で県が住民説明会 水俣市 (熊本日日新聞)
 熊本県は、11月に水俣港や百間排水路に堆積した高濃度ダイオキシン含有汚染土砂の除去工事に着手する方針を決定。工事は来年3月下旬に完了予定。汚染土砂は浚渫・脱水処理後に処分場に埋立の予定。10/28に住民説明会を開催したが、住民らは埋立に反対し、無害化処理を求めている。 

10/23 アメリカ 土壌汚染地域のダイオキシンについて 暫定浄化目標を設定へ (EICネット)
 U.S.EPAは、土壌汚染地域のダイオキシン類の暫定的な浄化目標を設定する計画についてパブコメを募集。12月には草案を公表、来年6月に最終版を公表予定。
 U.S.EPA News Releases(10/15)

10/24 ダイオキシン汚染「健康に影響ない」長岡市の旧ごみ施設 (新潟日報)
 長岡市栃尾の旧ごみ処理施設の解体工事で、敷地内土壌から基準を超える(1200pg-TEQ/g)ダイオキシン類が検出された問題で、長岡市は「汚染区域は極めて狭く、健康に影響ない」と発表。敷地1万1千m2のうち、汚染区域は150m2で深さ50cm以内とのこと。

10/28 サニックス苫小牧 ダイオキシンまた基準値超 (北海道新聞)
 廃プラを燃料にするサニックスエナジー苫小牧発電所の発電用ボイラーのばい煙から基準を超えるダイオキシン類が検出。同社は自主的に操業停止。ちなみに、検出値は0.13と0.19ng-TEQ/m3とのこと。

10/28 3項目の「義務付け」廃止 環境省、地域主権を尊重 (共同通信)
 環境省は下記の3項目の「義務付け」について廃止する方針を固めた。次期通常国会で法改正案が提出される。
 ・自然環境保全法に基づき都道府県が自然環境保全地域の特別地区を指定したり拡大する際に行う協議
 ・ダイオキシン類対策特別措置法と大気汚染防止法に基づき知事が管内の排出総量の削減計画を策定する前に行う協議。
 
POPs全般 PCB ダイオキシン類 農薬 その他

10/7 埋設農薬・POPs農薬調査と分析展開/島津テクノリサーチ (環境新聞)
 (株)島津テクノリサーチ 「埋設農薬・POPs農薬の調査・分析」

10/9 サンケイ化学 2009年11月期 第3四半期決算(連結)ならびに埋設農薬無害化処理についてDATA MAX)
 サンケイ化学(株)(本社:鹿児島市)が、2009年11月期第3四半期決算発表。四半期純利益には、埋設農薬の無害化処理費用を特別損失として計上。同時に、埋設農薬の無害化処理について、9月に完了し費用はほぼ当初の計画どおり総額2,100万円となったと発表。

10/14 野洲市の工場跡地埋設農薬 県と市が最終処分へ (中日新聞)
 滋賀県野洲市の旧三共(第一三共)工場跡地に埋設されているPOPs廃農薬(BHCやDDT約250t)の無害化・最終処分が始まる。国の経済対策臨時交付金を活用、県・市・第一三共が費用を負担。県内には、同様な廃農薬が5カ所に埋設(計2トン)されており、県が最終処分するとのこと。
 
POPs全般 PCB ダイオキシン類 農薬 その他

10/25 子どもの異常行動 原因化学物質追究 来年度から30万人調査 (東京新聞)
10/25 来年度から30万人調査 子どもの異常行動 原因化学物質追究 出生から13歳まで、親も対象 環境省、米韓とも協力 (中日新聞)
 環境省は、全国の病院や研究施設15カ所を拠点に、調査参加者の妊婦を3年間で募集。出生児の10万人を対象に臍帯血や毛髪、尿を定期的に採取、13歳になるまで追跡調査する。調査対象は、父母の血液提供なども含めて、最大で30万人に上る見通し。
 環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査」



Copyright © 2004 Japan POPs Network
日本POPsネットワーク